薺草

ナズナ草は、どこにでも生えている雑草です。ハート形をした実を沢山つけたその愛らしい姿から、地方によっては「愛ずる(めずる)草」とも呼ばれ、それが訛ってナズナとその名がついたという説もあります。
冬の終わりのまだ寒い中、すべてが枯れ果てたように見える地面から、一番に道端や空き地のちょっとした日当たりの良い所ならどこにでもナズナ草は生えてきます。
私が落ち込んでいる時、一面にナズナ草が群生している野原を見ました。
私の心に無数のハートが広がりました。
「大丈夫！大丈夫！愛してる！愛してる！」と、一斉に小さなハート形の手を振って、それは大地から人へのメッセージのように思えました。
人生にはいろんなことが起こります。人の世界になにがあろうと、自然は季節ごとに芽吹き、葉を茂らし、花を咲かせます。そんな当り前なことに何故こんなにも人は慰められるのか、、、
ナズナ草のハートの実はこの時から私の心に刻みつけられ、小さな道しるべとして行く道を示してくれています。